CSS Nite in KOBE, Vol.17のワークショップに参加しました
7月30日に神戸のコワーキングスペースPlug078にて開催された、長谷川恭久さんによる『CSS Nite in KOBE, Vol.17 パターンラボ〜誰もが使いやすく感じるwebサイトにするために、柔軟性と拡張性をデザインに取り込む方法を探るワークショップ』に参加しました。
ワークショップの内容
お題をものすごく簡単に説明すると『多大な情報量を持つWebサイトの、一貫性のないUIパターンを使いやすく改善する案をグループで考え、発表しよう』という内容。あらかじめ振り分けられた5、6人ずつのグループに分かれて作業を進めました。
具体的な流れとしては、あるサイトのUIパターン(見出しやボタンなどの各要素)を1つ1つ切り分け分類したのち、このWebサイトを使いやすくするためにどう変えていけばいいのか、各グループで意見交換をしながら制限時間内で改善案をまとめ、最後に順番に発表する。この一連の作業を実際に行いました。
ワークショップで発見したこと
まず、作業を始めてすぐに、それぞれの目線の違いを実感しました。
Web制作に携わっている、という大きな共通項があっても、細かい分野や役割が違ったり、役職が違ったりすると、それぞれの得意な事や目線は当然違っていて、それがすごく面白かったです。
発表された改善案もグループごとにそれぞれ違っていました。
ひとことでUIパターンといっても、こんなにも正解がバラバラになるものだなんて。
たとえば実際の案件でクライアントと話をするとき、Webサイトの運用や制作に関して一番詳しいのが自分であるような場合でも、一人で考えた結果は、必ずしもそのケースで「正しい」わけではないってことですよね。
理想的なのは、Webサイトやプロジェクトの担当者だけでなく、実際に更新作業をするスタッフやシステムを管理している人、ユーザー役として客観的な目線でWebサイトを見られる人、なんかをしっかり巻き込んで、こういったワークショップを開催することだと思います。場合によっては、更に上の役職の人たちにも参加してもらった方がいいかもしれません。
それができれば、運用や維持のためのUIパターンの重要性を体験を通して伝えることができますし、私たち制作側にとっても、クライアント側のさまざまな目線を理解することができます。
とはいえ、です。
突然「ワークショップをやりましょう。みなさん参加してください!」と声を上げたところで、それぞれが日々の業務で忙しいでしょうから、快く集まってくれるとは考え難いです。そもそも、制作の予算しかないケースではそのような取り組みができませんし、そうでなくてもUIだけでここまでやれることなんてそうそうありません。
実際の案件に活かすには?
さて。では今回のワークショップを、身近な環境で活かすにはどのようにすればいいのでしょうか。ワークショップを終えての個人的な考察をまとめてみました。
このワークショップの目的は、実はUIパターンの正解を見つけることではなく、あくまでも『問題点や意識の共有』にあるのだと思います。
Webサイト運営をお手伝いする場合や、運営ベースのWebサイト企画・制作をする場合に、クライアントの関心度や、関わっているという意識があるかないかという違いは、成果に大きな影響を及ぼします。クライアントは、普段からWebサイトに関わる仕事をしているわけではないので、関心や優先度が低くても当たり前です。だからといって「伝わらない」なんて一方的に考えてしまうのは、とても勿体ないことかもしれません。
話が少しそれますが、これは私が運営をお手伝いしているWebサイトの、内部のスタッフの人たちと初めてお会いしたときの話です。(それまでは、Web担当者を含め役職の違う数名としかやり取りをしていませんでした。)
今まで知らなかったスタッフの人たちとお話ししてみると、自社サイトの運営に関して、意外なほどにみなさんが自分ごととして考えていることがわかり、たくさんの有意義な意見を聞くことができました。そしてその後、それまでよりもお互い気軽に、Webサイトについて考えていることや要望を連絡しあえるようになったのです。
私は、この経験と今回のワークショップの意義を割と近いものだと考えています。
段階的な意味では全く違うけど、どちらもコミュニケーションの重要性を表すものです。
そう考えれば、今回のワークショップで取り上げたような大規模な案件でなくても、進行過程で工夫できることはたくさんあるはず。小さなことからでいいのだと思います。
たとえ納品して終わるような案件だったとしても、コミュニケーションに関して少し意識することで、運営面でのサポートも視野に入れてもらえたり、何かを提案する余地ができるかもしれません。運営が大切。という認識を実際の業務レベルに繋げていくためにも、やはり私たち制作側の人間が、意識的にこういった働きかけをしていくことが大切なのではないでしょうか。
そしてそのために、ワークショップなり何かの作業を共有することは、とても効果的な手法です。
今回のワークショップに関して
もっと詳しい内容を、講師の長谷川恭久さんが記事にまとめています。
「デザインパターンにあるヒトとコトの課題」
http://www.yasuhisa.com/could/article/ui-pattern-workshop/
CSS Nite in KOBEについて
CSS Nite in KOBEは、Web制作に関わる方のためのセミナーイベント CSS Nite(シーエスエス・ナイト)の神戸版です。ワークショップということもあり、今回の参加者はほぼ全員がWeb制作関連の人たちでしたが、テーマによっては、企業のWeb担当者やWebサイト運用について考えている色々な業種の方が参加しています。誰でも参加できる雰囲気なので、気になるテーマがあれば是非参加してみてはいかがでしょうか。
CSS Nite in KOBE
http://cssnite-kobe.jp